
iPad向けの電子雑誌のビデオデモが,TEDカンファレンスで初めて公開された。
大手出版社コンデナスト(Condé Nast)が発行しているWired MagazineのiPad版である。Adobe AIRを使用している。そのデモ動画を二つ,以下に貼り付けておく。
アップルのiPadは大型のカラータッチパネルなので,電子雑誌や電子新聞のリーダー(eReader)としても期待が高まっている。このため3月出荷を前にして,雑誌社や新聞社とアップルとの間で交渉が進められている。ただ,価格設定や購読者情報の扱いなどの点で,難航しているという。
それでも,萎む一方の紙媒体に代わって電子媒体に活路を見出したい雑誌社や新聞社は,iPad版にも挑戦していきたい。そのなかで,意欲的なのがコンデナスト社である。デモで示したWiredのiPad版電子雑誌を今夏にも発売の予定である。また同社の人気雑誌GQと Vanity FairのiPad版も出す予定である。
同社がiPad版電子雑誌に力を入れているのは,iPhone版のGQが順調に滑り出しているからだ。iPadはiPhoneの大型版でもあるだけに,iPad版電子雑誌に期待を寄せているようだ。
GQのiPhone版は,09年12月号から始めており,2.99ドルでダウンロードできる。2009年12月号は約7000部が,2010年1月号は1万2000部以上がダウンロードされた。売り場はiTuneである。売上げの7割が出版社に分配されるとして,2号分で4万ドルの売上げとなる。3月号からはGQ iPhone版の現読者には,1.99ドルの割引価格でダウンロードできるようにする。

◇参考
・The Wired Tablet App: A Video Demonstration(Wired)
・Publishers warn of hurdles to iPad deal(FT.com)
・GQ Sells 18,000 Issues on iPhone(minonline)
・GQ App Does OK(The New York Observer)"
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